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法律家集団による『拉致と強制収容所』

 投稿者:中野徹三  投稿日:2004年 7月 9日(金)11時47分55秒
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  「北朝鮮による拉致被害者の救出にとりくむ法律家の会』から、この会が編集した『拉致と強制収容所』と言う本が、送られてきました。朝日新聞社の出版ーーおそらくここからは初めてのこの種の問題の本ーーですが、「はしがき』は、「人権擁護を職務の使命とする弁護士であるが、拉致問題をはじめ北朝鮮による人権侵害に対する取り組みに関しては、弱かったと言わざるを得ない」と言う、遅ればせながら、しかし当然の反省を述べたうえで、第一部はこの会主催の昨年10月29日のシンポジウム、第二部では特定失踪者191人の氏名と写真、うち15名は家族による状況の説明と訴え、さらに特定失踪者問題調査会代表・拓殖大 学助教授の荒木和博氏の「特定失踪者とは何か』と題する、これまでの調査から浮かび上がる問題の全体像を伝えた上、第三部 北朝鮮と人権侵害では、強制収容所について東大名誉教授の小川晴久氏、脱北者の人権被害については大阪経済大学助教授の山田文明氏が、書かれています。
 拉致問題の重点が、北が死亡とした「行方不明者」8名の真実の解明をふくむ「特定失踪者」(調査会がリストアップした総数は約400名、そのなかには調査会が刑事告発した15件16人、日本政府が北による拉致被害者と認定した15名のうち、帰国した5名を除く10名、うち2名は北が認知せず、が含まれる)の問題に移行しつつある時、しかも政府がこの問題に熱意が全く無く、あいまいなままに国交正常化に踏みこもうとしている時(点数稼ぎの第二次訪朝 で5人の子供を連れ帰ったことを成果にして)、次の荒木氏の発言は、重要であり、我々も完全に同意見です。
 「外務省が日朝交渉で提示するのは基本的には認定された拉致被害者だけである。と言うことは、現状を続ける限り、拉致問題の完全解決は絶対にありえないということだ。もっとはっきリ言えば今のままでは大部分の拉致被害者は私たち(政府機関も一般国民も含めて)に見殺しにされて北朝鮮で死んでいくしかないということだ。」
 「拉致問題の完全解決のためには北朝鮮において独裁を終焉させることが必要不可欠だ。」 
 拉致問題を事実上棚上げして「正常化」を急ぎ、金正日体制を助けることは、この恐るべき異常事態を長引かせ、日本と北朝鮮の犠牲者を見殺しにすること、を意味します。
 核とともに人権で国際的に厳しく包囲し、その改善に付いてだけ評価と対応を与えること、内部の反乱を巧みに組織すること、これが大切で、救う会のように、経済制裁だけを手段とするのは一面的に過ぎます。またこのためには、ICCを高い政治的観点から十分に運用することが不可欠です。ところがこの本には、僕らの本を読んでいる人がいるはずなのに、ICCについても、「人道に対する 罪」についても、一言の言及もないのは、不思議です。
 だがそれは別として、日本の法律家が−−法学者は相変わらず、ですがーーこの問題に取り組みはじめたことは、高く評価さるべきことであり、この本の普及とこの会との連帯は、大切と考えます。

 

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